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ポータブルハイレゾ #DAP比較 一覧 2022年1月版 〜更なる市場の変化、新機種はハイエンドクラスに集中

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スマホ+DACドングルの普及で、ハイエンドクラスが中心になり始めたポータブル音楽プレイヤー市場

前回、2021年6月から半年ほど経ちましが、ポータブルオーディオプレイヤー市場も様々な情勢の影響を受けて変化が見られます。

align-centre.hatenablog.com

2021年後半のハイレゾDAPとそれをとりまく状況

2021年下半期、ポータブルDAP市場では主に次のようなトピックが頻繁に見られる状況だったように思います。

  • 今なお続く半導体および部材不足や調達、物流の逼迫。さらに中国では計画停電による生産の遅滞などによる生産・出荷数の不安定要素に加え、新型コロナウイルス・デルタ株による再ロックダウンの影響。発売から1年も経たずして生産終了になるケースも。
  • 音楽ストリーミングの更なる普及を受け、スマホに接続できる「DACドングル」の席巻により、低価格帯ではDAP専用機の競争力低下で多くのメーカーが手を引くなど、2021年後半はもっぱら高価格帯〜ハイエンドクラスのDAP新機種に話題が集中。
  • 2020年10月のAKM工場火災後、一時は再生産も検討されたものの最終的に生産終了となった AKM 製フラッグシップDAC「AK4499」および「AK4497」を搭載した限定モデルの限定数でのリリース。
  • DACの調達難や価格高騰などから、DACチップメーカーに頼らない自社開発の「R-2Rラダー型DAC」採用機の増加。
  • 業種によってはテレワークの常態化も反映してか、デスクトップでの使用も想定した持ち運べる据置機「トランスポータブルDAP」の躍進。

音楽ストリーミングサービスの国や地域特化性がオーディオ機器の障壁にも

当面はこの傾向は継続するのではないかと想像していますが、特にDAPでも利用が増えている音楽ストリーミングサービスに関しては、日本では世界で主流の TIDAL や Qobuz がサービスインしておらず、一時は日本でのみ(?) Amazon Music HD 対応への要望が相次ぐなど、音楽配信サービスの地域特化性とメーカー開発拠点の中国国内からアクセスできないサービスへの対応等、開発の難しさなどもこれまで以上に表出しているようにも見えます。

日本法人立ち上げ中と思われる TIDAL、e-onkyo を買収した Qobuz ともに日本市場参入の動きや意向はあるようですが、今のところ具体的なプランなどは示されていません。

WALKMAN 次期フラッグシップ機やいかに?

また、2016年に発売された Sony の Walkman フラッグシップ機 NW-WM1Z/WM1A の後継機と思われる新機種が FCC や Bluetooth SIG の登録情報に現れ、いよいよ登場か?と期待されていたところ、つい先日の12月下旬に、フィリピンをはじめウォークマンの生産拠点でもあるマレーシアをスーパー台風 "RAI" が襲い、甚大な被害が出ています。
ウォークマン新フラッグシップ機は CES2022 でも今のところ未発表で、今回のソニーのテーマと結びつきが弱そうでもあるため、CESでは見送られたのではないかという気がします。

ポータブルハイレゾDAP比較一覧 2022-01-10 更新版

※各5K画質(5,205×1,620 pixel)のPNG画像です。

ENTRY / MID-RANGE (〜$429/〜約5万円)

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MID-RANGE / PREMIUM ($450〜$999/約5万円〜10万円)

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PREMIUM / HIGH-END ($1,000〜$1,799/約12万円〜25万円)

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HIGH-END ($1,799〜/約25万円以上)

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10K高解像度版PNG画像 (10,409 x 3,240 pixel) ダウンロード

注意: Dropboxのフォルダー画面が開きます。1枚あたり約3.5MB前後あります。

今回、2022年版としてカラーテーマを若干変更し、直近6ヶ月以内にリリースされた新機種を薄いグラデーション枠で囲っています。 また、各機種のリリース年を上部に大きく表示し、"NEW" の表示も大きくして新機種をわかりやすくしてみました。

ハイエンドクラス〜10万円前後の価格帯に新機種が集中

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試しに2018年〜2021年末までの各機種のリリース日(メーカー本国)と価格(USD)をプロットしたグラフを 作ってみましたが、2021年はハイエンドクラス〜10万円前後の価格帯に新機種が集中し、低価格帯〜ミドルクラスには新機種がほとんどリリースされていないのがわかると思います。

推測される理由は、冒頭でも触れた市場の変化と今の情勢による部分が大きいと思われますが、Android ベースの機種が大部分を占めるようになった結果、ユーザーサイドではスマートフォンと比較しがちになり、「ポータブルハイレゾDAP」という製品へのニーズとメーカーが提供できるものとの隔たりが今後ますます大きくなっていくのではないか?とも思えます。

今回も、DAP比較一覧は時勢や市場の変化を反映した興味深い製品ラインナップになっていますが、各機種の背景や市場動向の分析等詳細はまた別の機会に触れたいと思います。

ポータブルハイレゾDAP比較一覧の作成仕様

DAP比較一覧の作成仕様や掲載内容は基本的に前回と同様、2018年以降に発売された機種をUSDでのグローバル価格(MSRP: Maker Suggested Retail Price=メーカー希望小売価格、および海外大手オンライン販売店価格)を基準に、Illustratorデータ上で実寸で作成し並べています。 尚この比較図は日本国外向けも対象としているため、日本では発売されていない/されなかったモデルも一部含んでいます。
4枚に分けているのは、Twitter での添付可能画像数が4枚までという制約によるもので、ENTRY, PREMIUM などの価格帯は分割の便宜上つけているだけです。

  • 各メーカーまたは代理店の公称スペックおよび、公式SNSでの投稿、国内外の販売店等による実測値等をもとに、実寸比で作成
  • 左からグローバル価格(USD)順に掲載。
  • 日本国内販売価格は「価格.com」に掲載の「ヨドバシカメラ」の価格または、「eイヤホン」と「フジヤエービック」のオンラインストア(随時変動あり/実店舗店頭価格と異なる場合があります)、「Amazon Japan」での税込価格。

掲載項目

  • リリース年
  • メーカー/ブランド、機種名
  • 本国発売日および現地価格、USD価格(MSRPおよび実売価格)、日本国内発売日および現時点の価格(税込)
  • 実寸の本体正面画像および底面シルエット、外形寸法および重量
  • 画面サイズ(インチ)及び横×縦ピクセル数
  • 端子位置(3.5mm, 2.5mm, 4.4mm, ラインアウト, S/PDIF(同軸/光), USB, microSDカードスロット)
  • USB DAC 機能及び USB Audio 出力機能の有無
  • 内蔵ストレージメモリ容量及びmicroSD拡張可能上限容量(ファームウェアの更新により変動する場合があります)
  • システム
    ・OS
    ・ビットパーフェクト技術(主にAndroid OS の SRC 回避)
    ・メインSoCおよびメインメモリ容量
    ・CPU×コア数
  • デジタル段
    ・ジッター/クロック方式等
    ・搭載DAC(ch数)×個数またはDAC方式
  • アナログ段
    ・電流出力型DACの場合はI/V変換チップまたは電圧出力モード
    ・DAC出力のLPF(ローパスフィルター)
    ・ヘッドフォンアンプ/バッファ使用チップまたは技術
    ・ヘッドフォン出力(SE:シングルエンド/BAL:バランス)
    ・S/N比
    ・THD+N(全高調波歪+ノイズ)
    ・出力インピーダンス
  • Wi-Fi 対応規格
  • Bluetooth A2DP 送信(Tx)コーデック/受信(Rx)コーデック(ファームウェアの更新により変更される場合があります)
    ※Hiby Music 独自規格 "UAT" はA2DPプロファイルに含まれませんが、対応機種が増えてきたため記載。
  • バッテリー容量および高速充電対応規格
  • 連続再生時間(メーカー公称値/条件により変動するためおおよその目安)

DAP比較一覧 2022年1月版 掲載機種一覧 (アルファベット順)




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