Sponsored Reviewこのレビューは、HiFiGo 様より試供品を提供いただいてのレビューですが、製品の評価は個人的に率直な感想を記載しています。
確かな音質の「TinHiFi」ブランド
TinHiFi というブランドはご存知の方も多いと思いますが、低価格〜中価格帯を中心にラインナップを展開し、どの機種も非常にバランスのとれた音で人気のブランドです。
一部の機種は日本でも正規輸入販売されており、個人的にも何機種か試聴して好印象を持っていますが、フェイスプレートがシンプルな無地のデザインの機種も多いためか、あまり目立たないながらもその確かな音から人気のほどが伺えるブランドです。
今回は、その TinHiFi のイヤホンの中でも、HiFiGo で実売 $26 (2022/10/07時点)という低価格のエントリー機「T1s」という、ベリリウムコート・ダイアフラムを採用したシングルダイナミック型ドライバーIEMのレビューです。
Notice尚、予め記しておくと、TinHiFi T1s の本来の音質性能自体は価格相応以上のレベルなのですが、本体側2pin端子の接点に酸化や汚れ等の劣化があるのか、この内径⌀0.78mmの接点を何らかの方法でクリーニングしないと、高音域が全く出ないこもった音になり本来の性能が発揮さません。この謎現象の原因究明にかなりの労力と時間がかかりました(苦笑 詳細は後述しますが、おそらく部品の選定/調達を含む生産品質管理の問題では?と思われます。
T1s パッケージ開封:「T1s」のはずが…?!

T1s のパッケージは2重になっており、外側の「T1S」と書かれたスリーブを外すと…

なぜか「T1 Plus」と書かれたパッケージが現れましたw
パッケージのフタを開けると、シンプルながらも整った体裁で「T1s」が収まっています。

T1s 付属品
パッケージ内には、次のようにT1s本体と付属の2pinケーブル、イヤーピースが2種類、取扱説明書、保証カードが入っています。

この付属のケーブル、TinHiFi 公式サイトや HiFiGo のサイトでは、透明シースに透明プラグのものが付属するような画像が掲載されていますが、実際には黒く、撚りのピッチが短いややゴツゴツした手触りのケーブルでした。
今回は本体カラーが「ブラック」だったため、他のカラーではサイトの画像通り透明シースの白いケーブルが付属するのかもしれません。
イヤーピースは、横から見ると球形に近い開口径の小さなタイプと、傘型で開口径の大きなタイプの2種類がS/M/Lの各3サイズ付属します。

尚、キャリングポーチやケース等は付属しないので、別途用意するか価格帯的にはそれほど気にせず使う感じでしょうか。
T1s 装着感

TinHiFi T1s の本体はかなり薄く小ぶりで軽く、耳の小さな方を含めほとんどの方の耳にうまくフィットするのではないでしょうか。
また、より高価な機種に多い耳へのフィット製を高めた複雑な曲面を多用した形状ではなく、傾斜した円錐型を基本とした形状ながら、装着感と共にダイナミック型ドライバーを収めるハウジングの剛性を十分に高めているのが、外から透けて見える内部構造からも推察できます。

「T1s」は「T1 Plus」のマイナーチェンジ版?!
パッケージと同様に、T1s の本体には「T1s」ではなく「T1 Plus」のロゴが印字されており、外見上は「T1 Plus」と「T1s」を区別するのは困難と思います。
しかしなぜそうなっているのか?謎は深まります。

ネットで調べる限り、「T1 Plus」は 2020年頃リリースされており、この「T1s」はそのマイナーチェンジ版として2021年後半にリリースされているようです。
T1 Plus と T1S とで、パッケージと外見は同一で何が違うのか?が謎でしたが、TinHiFi の公式サイトの画像をよく見比べると、ベリリウムコートのダイナミック型ドライバーユニットを収める「シリコン(金属)製のアコースティック・スリーブ」が改良されているようで「中音域の密度を高めて声に優しさを、低域はより深く強く、高域の伸びをよく」しているとのことです。
Image credit: TINHIFI T1S 製品ページ
その他の主要諸元は T1 Plus, T1s 共に同一で、価格も同じMSRP(希望小売価格) $39 ですが、実売価格は TinHiFi 公式サイトを含むどの販売サイトでも、T1 Plus より新しい T1s の方が安く、$20 台の価格になっています。
T1 Plus および T1s がそれぞれリリースされた、2020年〜2021年頃というと、新型コロナウイルス対策に加え、半導体や部材調達不足のほか生産や物流も含め特に混乱していた時期です。
そこから想像されるのは、2020年になんとか T1 Plus をリリースしたものの、上記の事情等により同一部材/スペックでの生産が難しくなり、T1 Plus として生産する予定だったハウジング等を利用してマイナーチェンジし、T1s として量産を再開しリリースしたのかもしれません。あくまで想像ですが。
ケーブルの仕様が謎
掲載されているスペックをよく見ると、付属ケーブルの材質などの仕様が、メーカー公式サイト上では表記が一定でなく、販売店サイトに掲載されているものと異なっていたり、実際のところどれが正しいのかわかりません。
最終的な表向きは、「銀メッキ線 (silver plated cable)」ということになっていますが、メーカー公式サイトの製品情報が記された画像や、下の方の表には「1.25m 3N (24 / 0.05 + 500D yellow high strength nylon yarn) ⌀1.05mm * 4C transparent PVC wire」と記載されており、開発から製品化の中で仕様変更が行われたのかもしれません。
Image credit: TINHIFI T1S 製品ページ
商品写真や画像を見る限りは、透明シースのケーブルでは導体の表面は銀色なので、銀メッキ銅線であろうことは想像できますが、「ブラック」の場合は商品画像と違ってシース(被覆)がブラックのケーブルが付属するため、実際のところ見ただけではわかりません。

ファーストインプレッション「高音域が出ない?」
いつものように「Burn-in ボトル」に入れて、KANN ALPHA で試聴用プレイリスト(ローカルデータ版)をランダムリピート再生し、50時間ほどバーンイン(エージング)しました。
高音域が出ない?
まず、聴いてすぐに感じたのは、高音域がほとんど出ず低音域に支配された音という点。
最初に疑ったのは、メーカー公式サイトや販売サイトの画像と異なる「黒い付属ケーブル」。そこで手持ちの 2pin コネクターのケーブルをいくつか、純銀線や銀メッキ銅線などに変えて試してみましたが、若干変化は感じられるものの周波数バランスを大きく改善するには至りません。どうやら単純にケーブルの問題ではないようです。
Head-Fiなど海外のレビューでも大多数が同じ感想
他のレビューはどうなんだろう?と、海外のレビューを中心に検索してみると(自分の場合、音楽嗜好的に日本の音楽を中心に聴く方のレビューが参考にならないことが多いため)…
Head-Fi に7件あるレビューのうちほとんどが、同じように高音域があまり出ないという感想が。やはりこの機種はこういう音? しかし、中にはそうした傾向を感じることなく非常に満足し高評価されている方もいます。
また、レビューに掲載されている写真から、本体色が「ブラック」の場合は付属のケーブルは、やはりシース(被覆)が黒いのものであることがわかりました。さらに、透明シースのケーブルが付属する他の本体カラーでも同様の音質傾向があるようで、付属ケーブルの被覆の色とは関係なく高音域が出にくい現象が生じているようです。
原因究明
前述のように、当初は付属ケーブルを疑っていたもののケーブルを変えても根本的には変わらず、ケーブルは原因ではないことはほぼ確実で、本体自体に何らかの問題があるかも?!という状況となり、困っていました。
原因は、イヤホン側2pin端子接点部の経年劣化等による接触抵抗増大の可能性?
何日か経って、再びケーブルを付け替えたり抜き差ししていると、同じケーブルでも高域が以前よりよく出る時とそうでない時があることに気づきました。
「これはもしや接触不良?」と、ひとまず付属のケーブルを何度も抜き差しを繰り返してみると、なんと明らかに高音域が以前よりちゃんと出るようになりました。当初はフルートの音がオーボエのような音でしたが、ようやくフルートらしい音に近づきました。
TinHiFi T1s 本体側2pin端子内部の清掃
上記の現象から、「イヤホン本体側 ⌀0.78mm 2pin 端子接点の接触不良」の疑いが濃厚になったため、さらに接点を徹底的に清掃すべく、「キムワイプ」に「エタノール」を染み込ませ、直径が 0.78mm 以下の細いピンで押し込み、何度かこすってみました。
今回はとりあえず手元にあった「マップ用ピン」を使いましたが、⌀0.78mm 以下の丈夫な金属棒が必要なので、裁縫用のまち針などでもよいかもしれません。

TinHiFi T1s の2Pin端子は、横から見ると途中からスリットが入って2 or 3分割されているようで、それぞれがわずかに内側に反ってスプリング状になっており、ケーブル側のピンが挿入されると内側に反った部分で挟み込む形になり、端子接点の接触と固定をする仕組みのようです。
イヤホン(IEM)の 2pin 端子のイヤホン側、実は割りピン状になっていたとは知らんかった。この横の縦長の穴?部分が細くなってて、ケーブル側のピンを挟んで押さえつけ、接点を確保する構造になってるのか。
— Azalush “森あざらし” (@align_centre) August 25, 2022
2pin 端子はこの割りピン型の他に、バネ接点が別にある方式もあるようで、これは一例の模様。 https://t.co/tAOtrjzsRJ
IEM 用 2pin端子は、外から見える凸/凹以外に想像以上に端子形状や方式に種類があるということは、今回 E4UA でお馴染みのオーディオケーブル/端子のスペシャリスト「IFo @ifoool」さんの助言をいただき、最終的に端子を破損させずに適切に清掃できました。大変感謝します。
クリーニング用品参考情報
キムワイプはティッシュペーパーのようにホコリが出ず、繊維が長く丈夫でちぎれにくいため、精密機器や部品などの清掃には欠かせません。常備しておきましょう。
エタノールは「無水エタノール」はすぐ蒸発するため消毒には使えず清掃や薬品の調合などに使われますが、「消毒用エタノール」やでも問題ありません。無水エタノールに水を追加して80%程度にして消毒などに使いやすくしたもので、消毒専用というわけではありません。
T1s 本体側2pin端子内部を清掃した結果、高音域が劇的に改善!
そして TinHiFi T1s 本体側の2pin端子の内部接点を徹底的に清掃した結果……
これまでになく高音域が正常に出るようになりました!w
開封時のパッケージの写真でもわかるように、TinHiFi T1s は、イヤホン本体とケーブルは別になった状態で収められています。これはつまり、イヤホン本体側の端子内部接点が空気に触れた状態で長期間放置される状態でもあります。
ただ、同様のパッケージング方式のイヤホンでも、今までこうした現象には出会ったことは個人的にはありません。端子の金メッキ自体が酸化から保護する役割を果たす面もあり、仮に表面に薄い皮膜が形成されていても、ピンを挿せば通常は表面が削られて接点の接触は確実になるはずです。
さまざまな可能性は考えられるが…
いずれにしても、ユーザーから見た問題の原因はメーカー TinHiFi Audio 社側の生産品質管理上の問題と言えますが、Head-Fi の数々のレビューに書かれているように、ある程度まとまった数あるいは特定の生産ロット/バッチでこの現象が起きていそうな雰囲気があります。
先にも記したように、T1s がリリースされた2021年後半は、新型コロナウィルスのデルタ株が中国でも広がり始め、中国の一部の都市で再度ロックダウンなどが行われていた時期にも重なり、ひょっとすると生産途中の製品を長期間放置せざるをなくなったり、部品の調達先変更を余儀なくされたり、品質を保つのに各メーカー苦心した時期なのかもしれません。
しかし、製品として出荷前にこの問題に気づけなかったのか、製品組み立て後のテスト等はクリアしていたのか?等の謎は残ります。
(メーカーに確認後、何かあれば掲載予定)
「TinHiFi T1s」音質レビュー (2pin端子クリーニング & 音質改善後)
今回は、「$20〜$30クラス」というイヤホン本体の価格帯から、あえて高価なハイレゾ DAP は使用せず、スマホに接続するドングルDACやBluetoothレシーバーを中心に聴いてみました。
イヤーピースは付属の2種類のうち、高音域や細かなニュアンスの出やすい「傘型の開口径の大きい方」を中心に使用しました。
主な試聴環境
- iPhone SE 2020, MacBook Pro 14"(2021)
iTunes, Spotify, YouTube, Audirvana - Shanling UA3
- FiiO BTR5
- HiBy FC3
- Apple Lightning - 3.5 mmヘッドフォンジャックアダプタ
- ddHiFi TC09C (USB-C OTG cable)
- Zephone U1 (Lightning to USB-C OTG cable)

全体のバランスや質感
低音域に重心があり、高音域はやや抑えめの傾向は2pin端子クリーニング後もやや残ります。そのため、派手さはなく全体的にはソフトでウォーム系の雰囲気ですが、角が取れて長時間聴きやすい音とも言えそうです。解像度はそれほど高くはありませんが、繊細な音もきれいに鳴らしてくれる印象です。(これが出るようになるまで、手間と時間がかりました…)
周波数のピークや刺さりなどの特に際立ったクセなどがないので、全体のバランスや質感など、価格を考えると充分なレベルに思います。
また、低音域は強めなのはこの価格帯の機種にありがちなものの、剛性の高いベリリウムコートドライバーのおかげか、力強いアタックやサブベースのキックなど、低音域〜超低音域がそれほどぼやけることなく膨らみすぎないのは好印象です。(ただし、充分なバーンイン/エージング/鳴らし込みが必要)
音の大まかな傾向で近いかなと感じるのは Final E1000 や E3000 などですが、TinHiFi T1s は Final の機種より音量が取りやすいので、スマホのヘッドホン出力や安価なドングルDACでも充分な音量で、⌀10mmのドライバーで周波数レンジもかなり広く再現できています。
空間表現
空間表現/サウンドステージは、狭すぎず広すぎずで、適度な広さを感じます。
音の空間を客観的に捉えるというよりは、音の空間に一歩前に出て頭を突っ込んで聴くような感覚があり、上下左右方向と後方は十分な広がりを感じますが、前方の奥行き感は控えめの印象です。
J-Popなど日本の音楽は個人的にほとんど聴かないのでわかりませんが、いわゆる「ボーカルの近さ」は感じられるのかもしれません。
Streaming ▶️La Résistance De L'Amour by Armin van Buuren, Shapov
空間への没入感や空間の広さや立体的な音像を感じやすいこの曲。TinHiFi T1s でも、大ホールのような広い空間上の、遠近様々な距離と位置に立体的に音像が定位するのがしっかり知覚できました。
高音域
当初問題の高音域は、イヤホン本体側2pin端子のクリーニング後に劇的に改善しました。ただ、最近の他の同価格帯の高域が派手な機種と比べると大人しめで、控えめにしっとりと鳴らす印象です。
高音域が抑えられている要因の一つの可能性として、ノズル部に比較的目の細かい防塵フィルターが取り付けられている点がなんとなく気になります。これをもう少し目の大きなフィルターに交換すると高音域の存在感をより高められるかもしれませんが、本体の価格が価格なので、手間やコストをかけて試す意義があるかどうかは不明です。
Streaming ▶️The Disappearance of the Girl by PHILDEL
高音から低音までチェックしやすい曲ですが、TinHiFi T1s では高音域は他の機種と比べると上が伸びきらず、かなり高音域が抑えられて聴こえる印象です。ただ、音がこもって聴こえるほどではないので、高域のボーカルの質感などは感じられます。
中音域
中音域は特に目立った誇張もなく、ボーカルや楽器も問題なく鳴りますが、低音域の倍音がかぶさってきやすいため、中〜低音域がやや太めの音になりがちな傾向を感じます。
Streaming ▶️Opale by Alcest
解像度の高い機種では音がミルフィーユのように薄い層の集まりのように感じられ、解像度の低い機種では音が「ボテッ」としたかたまりに感じてしまう、シューゲイズ曲。TinHiFi T1s では、「予想よりは」音がかたまりにならずに、適度に柔らかくほぐれたマッシュポテトのように感じます。
低音域
低音域はかなり存在感が大きく、初めのうちは「よくある低音増強タイプ」のような音でしたが、鳴らし込んでいくうちにかなり締まりがよくなってきました。
低音域は量は多いものの、サブベース(超低音域)から低音域まで音像がぼやけるような感覚が同クラスの他の機種より少なく、うるささやしつこさはあまり感じません。前述のように軽量で剛性の高いベリリウムコートドライバーの効果もあるのかもしれません。
Streaming ▶️Enchantment by Nora En Pure
冒頭の 0:02〜0:04辺りにサブベース(超低音)の「ゴロロ〜ン」という音が入っていますが、TinHiFi T1s ではその音を過不足なく楽しめます。
この曲は、Bach の Cello Suite No.1 in G major "Prerude" (無伴奏チェロ組曲 第1番 前奏曲) をモチーフに Deep House にアレンジした曲ですが、イントロのチェロの深く艶やかな響きや、周囲に音像が配置された森の中のような環境音と共に、コーラスを含む各音源の音像定位の変化を立体的に楽しめます。
接続先の機器や音源など上流側の環境による音の変化を感じやすい?
TinHiFi T1s で特徴的に感じたのは、接続先のヘッドホンアンプやDACなどの性能よって音質が大きく変化しやすい点です。
Apple 純正のヘッドフォンアダプターでは大人しめの雰囲気ですが、HiBy FC3 や Shanling UA3 などのドングルDACを使用すると、解像度も質感も大きく向上し、音源や再生機器側がよくなるとより性能を発揮しやすいようです。
ちなみに USB ケーブルの違いによる音の変化もわかりやすく、当初 T1s 本体側2pinコネクター接点の問題で高音域が大きく減衰していたのも、そうしたドライバー側の敏感な特性のおかげなのかもしれません。
イヤーピースによる変化も感じやすい
イヤホン/ユニバーサルIEMで、まず変えてみるとしたら「イヤーピース」を変えてみるのが定石ですが、T1s は$20台と、少し高めのイヤーピースと同じくらいの価格なので、今回はあえて TinHiFi T1s 付属品だけで評価しましたが、付属イヤーピースでも十分な音質と装着感を得られます。
が、実際にはイヤーピースを色々変えて試しています。個人的に一番合うと感じたのは、日本では未発売の「Whizzer ET100」という独特の形状をしたイヤーピース。
このイヤーピースはノズル部分がホーン状に突き出して、横断面形状ががS字状で耳穴のカーブに沿うようになっており、装着感もよくホーン型ノズルの効果なのか音がよりリッチに感じます。

現時点では日本では販売されていないので、HiFiGo や AliExpress などで購入する必要があります。
#Whizzer のイヤピ "ET100" を2セット追加。
— Azalush “森あざらし” (@align_centre) March 5, 2022
音響的に、特に軸径が太めの最近のマルチBA機との相性がよい。S時型カーブのおかげか接触面積が大きく、安定性と遮音性、通気性が両立。
自分の場合は次のサイズがフィット。
FAudio Scale Universal → M
Softears RSV → M
Kinera Imperial Skuld → L https://t.co/S8O1Cztc6D pic.twitter.com/ZYIbLey4Vx
総評
TinHiFi T1s は、実売$20台という価格のシングルダイナミック型IEMとして「2pin端子の問題」を除けば、「さすがは TinHiFi」と思えるだけの音質性能を持っていると言えそうです。
この価格帯の手持ちの競合機種を改めて何機種か比較のために聴いてみましたが、この価格帯の多くの機種は「際立ったクセ」が多く、その好き嫌いで人を選びやすい面があります。その点、TinHiFi T1s は「2pin端子の問題」を除けば、価格が倍の機種と比べても遜色ない、かなりお買い得な機種とも言えそうです。
しかし惜しむらくは、「2pin端子の問題」で巷のレビューでは軒並み低評価になってしまっている点です。 2pin端子内部をアルコール洗浄・清掃さえできれば、音楽再生環境の環境や音源クオリティに素直に反応するドライバーのおかげで聴き比べやチェックもできたりと、色々遊べそうな機種ではありそうです。
TinHiFi の「シンプルな無地のフェイスプレート」は、見方によってはステッカーやデカールを貼ったりペイントしたり「見た目をカスタマイズしやすい」機種とも言えます。
また、素直に反応するドライバーの特性を活かして、筐体に何か貼ったり加工してみたり、実験台としてオーディオの理解を深める用途にもよいかもしれません。
$20台と比較的手軽に楽しんだり遊んだりできるので、HiFiGo で何かを買う時についでに購入しても損はないかと思います。