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TKZK Ouranos レビュー 〜 非常にバランスのよい優秀な音質と高級感ある1万未満のオススメ機

Sponsored Review
このレビューは、HiFiGo 様より試供品を提供いただいてのレビューですが、製品の評価は個人的に率直な感想を記載しています。

1万円以下のイヤホンで、あらゆる面で隙のない機種を見つけるのは、なかなか難しいことでした。少なくとも半年ほど前までは。

今回紹介する、現在Amazonで7,520円で販売されている「TKZK Ouranos」は、1万円以下クラスのゲームチェンジャーにもなりうる?、極めて優秀な機種に感じます。このところの円安で価格帯がわかりにくくなっていますが、USDでは $55 の機種です。

50ドル台、さらには100ドル未満の機種も含め、この音質とビルドクオリティを備えた機種は、個人的には見たことがありません。あらゆる面でこれといった欠点がほぼ見当たりません。

「TinHiFi」のサブブランド「TKZK 」

「TKZK」は「TinHiFi」のサブブランドと説明されていますが、実はそれぞれの商標を取得しているのは全く別の会社です。一体どういう関係なのか、とても謎だったため、中国の企業情報検索サイトで調べ、メーカーに直接確認してみたところ、どうやら経営者が兄弟同士とのこと。
TKZK ブランドもまた、OEM/ODM事業を広く手がける企業のブランドで、信頼と実績の高い技術力を持つ TinHiFi ブランドの機種とはコンセプトの違った、同じく高品質の製品を生み出していきそうで、なかなか期待できそうです。

ブランド名「TKZK」の由来

ちなみに「TKZK」は

  • Technology
  • Knowledge experiences
  • Zestful
  • Kindly

の頭文字から作られたブランド名のようで、「Ouranos」に先駆けてリリースされ、TKZK ブランド初の製品となった「TKZK WAVE」のパッケージ内には、次のようなメッセージカードが添えられていました。

「Uranus」の古代ギリシア語表記「Ouranos」の名を冠した機種

Ouranos」とは、Uranus (ウラヌス, 天王星) の古代ギリシア語での表記です。
なぜ「Ouranos」という名がつけられたのか?何かストーリーがありそうな気もしますが、ブランド名と共に思い入れやこだわりが伺えそうです。

物理的な構成の面では、TKZKブランド2機種目の「Ouranos」と、1機種目の「WAVE」共に、TinHiFi 製品の象徴的なメカニカルなデザインと異なり、3Dプリンター成形による樹脂製のシェルを採用している他、フェイスプレートにもかなりこだわりがありそうです。

特に「Ouranos」ではカーボン片と金属箔をレジンに埋め込んだタイプで、見る角度によって見え方が変わります。通常、高級機によく採用されるこのタイプのフェイスプレート、この価格帯に採用されているのはかなり自信に満ちた証でしょうか?

TKZK Ouranos のパッケージと開封

TKZK Ouranos のパッケージは、正面から見ると8.5cm四方、奥行き6.6cmほどのコンパクトな立方体で、白いスリーブを外すと、上ブタが斜めにカットされた形状になっており、上ブタを開けて英語と中国語の取扱説明書の下から、美しい Ouranos のフェイスプレートが現れます。

本体と付属品

パッケージの中には、

  • 本体
  • シリコーン製イヤピース (同形状2色)
  • 2pin ケーブル
  • キャリングポーチ
  • 取扱説明書 (英語/中国語 表記)

が収められています。
本体とケーブルのビルドクオリティは高く、本体と2pinケーブルの嵌合精度も高く、キャリングポーチが付属しているのもうれしいところです。

ケーブルはさらっとして絡みにくく、タッチノイズも少なめなので、非常に扱いやすいと感じます。ストレート型プラグのため、ドングルDAC等に挿した時にスマートなのも好印象です。

装着感は非常によく、耳にしっかりホールドされるシェル形状

黒い筐体でわかりにくいかもしれませんが、TKZK Ouranos のシェルの内側には、ノズル部分の突起に加え、qdc や FiiO FA1/FA7 などに似た耳の後方のくぼみにフィットする出っ張りがあります。
このため、装着するとカスタムIEM程ではないにしても、ピタリと耳におさまって固定され遮音性が確保される他、長時間装着しても違和感がありません。ただ、耳が小さめの方の場合、長時間装着時に耳たぶの後方にフィットする部分が痛くなる場合があるかもしれません。

このタイプのシェルを採用する手持ちの機種と、別途 TKZK WAVE を購入して比較してみると、シェル形状の違いは次のような感じになっていました。

やはり、TKZK Ouranos のシェル形状は、FiiO FA1/FA7 に若干似たタイプで、初めて装着した時に「あれ?この感覚は…」と思った通りでした(笑)

TKZK Ouranos の音質レビュー

試聴前の準備:Burn-in (エージング)

音質レビューの前に、いつものように Burn-in ボトルに入れて、70hほどバーンインしました。 Burn-in には、ピンクノイズ等ではなく、あらゆるタイプの波形や周波数帯を含む百数十曲の「試聴用プレイリスト」をDAPでシャッフル・リピート再生しています。

試聴用プレイリスト

試聴環境

試聴には、Astell&Kern KANN ALPHA の他、iPhone SE や Unihertz Jelly2 に USB DAC として

  • FiiO Q5s-Tc (AK4493, THXAAA)
  • Shanling UA3 (AK4493S)
  • FiiO BTR5 (ES9218P)
  • HIBY FC3 (ES9281AC PRO)

等を接続したり、MacBook Pro 14"(2020) 上の Audirvana Origin Mac版 に上記 USB DAC をUSB接続して各種音源でテストしました。

TKZK Ouranos の全体的な音質イメージ

ひとことで表すと「極めて優秀」。この価格帯でこの音質は先日レビューした TinHiFi C2 以上に驚きました。

音質に関して、特に欠点らしい欠点が見当たりません。周波数バランスは超低音域から超高音域まで聴感上はほぼフラット。

注:自分が「フラット」と表現する音は、「等ラウドネス曲線 (ISO 226:2003)」に沿うものと解釈してください。(=各周波数での物理的な音圧が一定(フラット)ではなく、人間の聴覚が同じ大きさ(フラット)と感じる周波数バランス。)

この等ラウドネス曲線のヘッドホン/イヤホンでの特性に近いのが「ハーマンターゲットカーブ」等とも言えます。もちろんそれぞれ個人差があるのであくまでおおよその目安です。


Source: PerCS

音の傾向として、クールでもウォームでもなくほぼニュートラル。曲によっては若干ウォームかな?と感じる程度です。
解像度も十分高く、ディティールの表現も緻密で誇張がなく自然です。ちなみに、より高価な数万円クラスの機種と比べた違いは、音のディティール表現の中でも、音のテクスチャーの表現力の違いなどに差が出てきます。

TKZK Ouranos は音質が良いだけでなく、見た目や細部に至るビルドクオリティも高く、これで1万円未満というのは衝撃的です。個人的に唯一気になったのは、「TKZK」のロゴマークが何を表しているのがよく分からず謎な感じに見えるところで、それ以外は特に言うことがありません。

空間表現

空間表現は音源にもよりますが、オーケストラや広大な音場空間に広がる曲では、その広大さをありありと感じられ、非常に自然です。 上下左右に加えて奥行きも深く、音像の距離感もわかりやすく立体的な空間を感じます。

その代わり、一部の日本のJ-Popなど、もともと音場空間が狭い録音の曲の場合は、こじんまりとした音に感じるかもしれません。

KSHMR - The World We Left Behind (feat. KARRA) [Official Audio]
Stream▶️ The World We Left Behind by KSHMR, Karra
この曲は広大な空間表現が特徴的ですが、TKZK Ouranos ではその広大さを余す所なく感じられます。1:25〜ボーカルが入りますが、ボーカルの周りに入る音像の移動なども耳で追って楽しめます。

低音域〜サブベース

TKZK Ouranos の低音域は、多すぎず少なすぎずほぼ適正なレベルで、音がぼやけたりといったこととは無縁で、何も気にせずに安心して聴ける印象があります。

Jan Kraybill - Organ Symphony No. 6 in G Minor, Op. 42, No. 2: I. Allegro
パイプオルガンの10Hz以下にもなる超低音(サブベース)がふんだんに入った曲。パイプオルガンを前にした実際の音量に合わせて音量を大きめにして聴くと、空気振動のようなサブベースのうなりが体感できます。
Alan Walker - Ritual (Official Music Video)
Stream▶️ Ritual by Alan Walker
もちろん通常の40〜50Hz前後のキックも過不足なく自然で、適度にキレのよい低域が楽しめます。

中音域

TKZK Ouranos の中音域は、若干ソフト寄りかな?と感じる曲もありますが、シャープな音は鋭さを保っちつつ、高域より(細め)にも低域寄り(太め)にもなりにくく、なかなか絶妙です。

Alcest - Opale [official music video]
Stream▶️ Opale by Alcest
曲にもよりますが、このシューゲイズ曲のように中音域に音が幾重にも重なるタイプの曲でも、層のようになったそれぞれの音を聴き分けられます。
In the Kitchen - Mree (Official Music Video)
Stream▶️ In the Kitchen by Mree
もちろん女性ヴォーカル曲は美しく、多重録音による包み込まれるような感覚も満足に聴けます。

高音域

TKZK Ouranos の高音域は、高音域が派手な機種と比べると控えめに感じるかもしれません。そのため、派手な高音域が欲しいと言う方には物足りない場合があるかもしれません。
ただ、超高域まで適度に出ており、イヤーピースなどによっても調節ができそうな部分ではあります。歯擦音の刺さりはありません。

Redd Feat. Akon & Snoop Dogg - I'm Day Dreaming (Official Video HD)
Stream▶️ I'm A Day Dreaming - David May Mix by Redd, Akon, Snoop Dogg, David May
イントロの部分で高音域の出方が一発でわかる曲です。TKZK Ouranos では若干控えめに聴こえる感がありますが、耳への装着状態やイヤーピースの種類、再生機器によっても大きく変わる部分のため、曲によっても評価は変わりそうです。
Sissel Kyrkjebø - Pie Jesu
Stream▶️ Pie Jesu by Sissel, London Symphony Orchestra, Andrew Lloyd Webber, Sarah Brightman, Paul Miles-Kingston
ノルウェーの歌姫「シセル・シルシェヴー」(シセル) による "Pie Jesu"。ソプラノ歌手が競うように歌う曲ですが、高音域の倍音を含んだ声の伸び方で感覚的に音の好みの判断もしやすい曲です。TKZK Ouranos では特に高音域にクセもなく、滑らかなボーカルが響きます。

TKZK Ouranos 総評

TKZK Ouranos は、やはり全体の総合的なバランスの良さが、1万円未満というこの価格帯ではなかなかない機種と感じます。

有線イヤホンはどの価格帯でも、音質は良くてもケーブルが扱いづらかったり、キャリングポーチやケースが付属しなかったり、実際の利用シーンを想定した時にどこかが引っかかることがよくありますが、この機種はそうした日常での使い勝手も含めて高く評価できる機種と思います。

「TKZK」のロゴタイプが何をモチーフにしたのか「TRKR」に見えがちなのが謎で、なんとも惜しい所ですが、その点さえ気にならなければ自信を持って推せます。(ただし、日本のTVタイアップ系J-Popやアニソン等を中心に聴く方には音源の特性と合うかどうか…と一応)

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